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僕が総理大臣になったら「議員定数は削減しません」
既存の政党が念仏の様に唱える、議員定数の削減。「議員を減らし、議員に掛かるコストも削ります」「身を切る改革を!」など勇ましい響きですが、根本的な解決にはなっておらず、話を誤魔化しているだけです。定数削減されて得をするのは、大政党のみ。新規参入がただでさえ難しい今の政治が、定数削減でより狭き門となり、既得権が一層強化されるだけ。多様な意見を交わす為には多様な立場の代理人が議会に送り込まれなければならないのに、定数削減で、入る余地がなくなります。今よりも偏った、企業側の代理人ばかりが送り込まれる事になってしまいます。(7)
僕が総理大臣になったら「お金が掛からない政治をつくります」
選挙にエントリーするだけで数百万円。選挙運動費用も含めて数千万。それを全国の全てに候補者を立てれば選挙にひとり5千万円かかるとして、300小選挙区で150億円。こんなふざけた話はありません。ずる賢い大人たちは、選挙や日頃の政治活動にお金が掛かる様にして、新規参入が難しいシステムを考えた訳です。そこに、「もっと議員減らそうぜ、金掛かるだけだよ」って話にすり替えてるのが、議員定数削減を主張する人たちの本音。
議員は減らしちゃ駄目。政治にお金が掛からなくすればいいだけ。数万円で選挙にエントリーできて、巨大政党の候補者も「泡沫」と失礼な言い方で表現される候補者も、同等の条件で選挙ができる、当たり前のルールが必要です。平等な露出が全てのメデイアで担保され、お金が掛からない選挙戦が出来る様にすれば、平等に政治に参加出来る権利が保証されれば、お金を引っ張る為に、大企業にゴマを擦る必要もなく大企業からの献金も、それに対するご恩返しも必要なくなります。政治にお金が掛からなくなれば、議員の給料や諸経費(文書通信交通滞在費・立法事務費)もなくせます。
議員の給料が下がれば、国会法35条にある通り、高級官僚の給料もさがるのです。一般の公務員の給料が高い、と批判されますが、高いのは、幹部クラスの公務員だけで、他は決して高いとは言えません。労働者の多くの給料が、不当に安いだけの話。公務員バッシングに話をすり替えて、本質をボカし、労働者に長時間労働・低賃金で大企業を肥やし、結果、自分たちにも利益を還流させているだけの事。
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僕が総理大臣になったら「正当な労働の対価を手に入れることができる、当たり前の社会を作ります」
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僕が総理大臣になったら
「全ての労働者が1ヶ月連続のバケーションを取れるような労働環境を作ります」
僕が総理大臣になったら……。僕が総理大臣になったら……。(了)
著者プロフィール
参議院議員
山本太郎
1974年、兵庫県宝塚市生まれ。1990年高校1年生時に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「ダンス甲子園」に出場し、芸能界入り。1991年、映画『代打教師 秋葉、真剣です!』で俳優デビュー。
『光の雨』、『GO』で2001年度日本映画批評家大賞助演男優賞を、『MOONCHILD』、『ゲロッパ』、『精霊流し』で2003年度ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。2011年3月11日に発生した東日本大震災の後、4月より反原発活動を開始。2013年7月、参議院議員選挙に東京選挙区より出馬、666,684票(11.8%)を得て当選。内閣委員会に所属。現在、原発問題、被曝問題、子どもと放射能、TPP問題、労働問題、社会保障制度改革、表現の自由に関わる問題等に特に深く関わり活動中。